近年の様々な法改正や性能基準の改定などにより、建築される住宅の性能は年々向上しています。しかし、家づくりを始めたばかりの方にとって、専門用語が並ぶ住宅性能のカタログを前に、「結局、何を重視すれば長く安心して快適に暮らせるのか」を見極めるのは難しいかもしれません。
そこで、まず抑えておきたいのが、 住宅の性能面で特に注目すべき「1. 耐震性能」と「2. 省エネ・断熱性能」の2点です。
これらの重要ポイントは、単に建物のスペックを高めるだけでなく、あなたの暮らしと将来の生活費にどのように影響するのか、具体的なチェック項目と合わせて解説します。
1. 耐震性能:命と財産を守るための「連続地震への強さ」
強い地震が来ても安心して住める家を叶えるためには、耐震性の向上は欠かせません。石川で長年家造りを行ってきたわたしたちだからこそ、住宅にはより高い強度・耐震性が必要であると考えています。
そして、耐震性能を見る上で、単に「震度7に耐えられる」というだけでなく、熊本地震や能登地震のような震度5以上の連続地震で損傷が進んでいかないよう、「繰り返しの揺れに耐えられるか」という点まで視野に入れることが重要です。長期優良住宅だからといって、連続地震に対して安心だとは言い切れない側面もあります。
チェックすべきポイント
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A. 耐震等級と「制震」の組み合わせ
- 耐震等級3の確保: 現在の住宅性能表示制度で最も高いレベルが耐震等級3です。これは建築基準法の壁量の約2倍の耐力壁を確保することを意味し、長期優良住宅の認定にも対応できるレベルです。
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「耐震」と「制震」の違い:
耐震は揺れに耐える構造の「強さ」ですが、制震は制震ダンパーなどを用い、地震の揺れのエネルギーを吸収し、建物の揺れを軽減する「動き」です。制震ダンパーを用いることで、構造にかかる負荷が軽減され、耐震性の維持につながります。
- 熊本地震や能登地震のような震度5以上の連続地震では、耐震等級が高くても損傷が徐々に進む危険があるため、制震ダンパーによる揺れの制御が非常に重要となります。
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B. 地盤の安全性
どれだけかっこいいデザインでも、建物躯体がしっかりしていても、肝心の地盤が不安定だと建物が崩壊してしまう可能性があります。熊本地震でも地盤改良の良し悪しで損壊レベルに差が出ました。
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地盤調査の実施: 計画建物の地盤強度を測るための地盤調査が欠かせません(例:スウェーデンサウンディング)。
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地盤改良の工法: 地盤調査の結果に基づき、建築士や地質解析士が最適な地盤改良の工法や深度を算定し、対策工事を行うことが安心につながります。
2. 省エネ・断熱性能:快適性と経済性を両立する性能
近年の夏の異常な暑さや北陸地方の冬の厳しい寒さのなかでも快適に住める家づくりは欠かせません。また、最近は電気代も上昇傾向にあり、生活費を抑える工夫の中で省エネの部分も考えなければいけません。
断熱性能が高い住宅は、快適性が高いだけでなく、冷暖房のエネルギー消費を抑えられるため、経済的にも有利です。
チェックすべきポイント
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A. 断熱材の性能と長期保証(UA値)
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地域に合わせた断熱材の選定:
石川県の気候は、夏は高い湿度、冬には多くの積雪があり一層冷え込みます。湿気を取りつつ部屋を暖かく保つことができる、高い断熱性と非吸水性を持つ断熱材が適しています。
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UA値:
断熱性を示す数値(外皮平均熱貫流率)です。この数値が低いほど、床や壁から逃げていく熱量が少ないことを示します。
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長期的な品質: 断熱材によっては、生涯製品保証書が発行されるなど、長期にわたって品質が維持されるかどうかも重要な判断基準となります。
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B. 住宅の「隙間」を測る気密性能(C値)
断熱性能(UA値)が高い家でも、施工が不十分で隙間が多いと、そこから外気が入り込み、せっかく断熱した空気が逃げてしまいます。そのため、UA値と同時にC値(気密性能)が高いことが必要です。
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C値の重要性:
C値は、住宅の気密性能を表す数値で、その家の大きさに対してどの程度の隙間があるかを示し、数値が小さいほど気密性が高いことを意味します。
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C値は測定値である:
UA値が設計図書を元に算出する理論値であるのに対し、C値は実際に1棟1棟測定した値から算出される測定値です。これは、推奨レベルのC値を達成するためには、確かな家造りの技術(高精度の施工)が必要であることを示しています。
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気密性のメリット:
隙間をなくすことで、夏の熱気や冬の冷気の侵入を防ぐだけでなく、排気ガスや花粉・粉塵、害虫など、屋外の有害因子が室内に侵入するのも防ぎ、快適で健康的な住環境を持続できます。
3. 性能を実現する「施工の精度」
どんなに優れた材料や高性能な設備を使っても、ミリ単位の狂いも許されない大工さんの熟練な技術がなければ、理想の住まいは出来上がりません。
性能の高い住宅を選ぶ際は、以下の点も確認すると安心です。
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精度の高い施工:
熟練の職人による精度の高い基礎や、まっすぐな壁、水平の床を作るための丁寧な不陸調整など、ローコスト住宅では真似できないこだわりが現場にあるか。
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徹底した検査体制:
基礎、棟上げ、大工工事といった工程ごとに厳重な検査が実施され、お客様立ち会いのもとで重要な検査が行われているか。
安心と快適を実現するアイワホームの住宅性能
アイワホームは、多雨多湿で冬は雪も降る石川の地で木造在来軸組構法による家づくりを長年行ってきました。この伝統工法を基盤としつつ、強固な構造設計と高品質な構造材の採用、丁寧で緻密な施工によって、湿気や地震にも強い家造りを行っています。
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制震技術の標準搭載:
国産無垢ヒノキ材を使用した伝統的な木造在来軸組構法を基盤とし、連続地震に強い家づくりを追及するため、制震ダンパー「MIRAIE(ミライエ)」を全棟標準装備しています。MIRAIEは、能登地震でも全壊・半壊ゼロの実績を持ち、長年積み重ねた結果と実績で、お客様の命と財産を守ります。
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耐震等級3相当の壁量確保:
耐震等級3相当の壁量を確保し、建築基準法の約2倍の強さを標準としています。これにより、高い耐震性を維持しつつも、吹き抜けやスキップフロアといった自由な間取り(用・美の要素)を妥協なく実現できます。
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国基準の約10倍の気密性(C値0.5㎠/㎡以下):
環境先進国カナダで開発された現場発泡吹付けウレタン断熱材「アイシネンLDフォーム」を採用し、平均実測値でC値0.5㎠/㎡以下という極めて高い気密性を実現しています。これにより、石川県の厳しい気候下でも快適な室温を保ち、冷暖房費の節約に貢献します。
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全棟ZEH基準の断熱性能:
アイワホームの家は全棟ZEH基準の断熱性能住宅を標準としています。
高性能で安心な家づくりは、建てる前も建てた後も、変わらない安心をお届けするというわたしたちの約束です。住宅性能についてさらに詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。