家づくりを計画する中で、土地探しは非常に重いウェイトを占める、難しいポイントです。希望のエリアや条件に合う土地はすぐに見つかるとは限らず、家づくりの工程の中で最も期間が見積もりにくい最難関のステップと言えます。
さらには、土地探しに失敗してしまうと、その結果として「理想の家を建てることができない」、あるいは「思っていたよりも予算が高くなってしまった」といった深刻な後悔につながりかねません。
したがって、土地の価格だけでなく、「場所(エリア)」「大きさ」「間口・奥行きのバランス」といった多様な要素を総合的に考慮し、判断することが不可欠となります。
ここでは、後悔なく理想の家づくりを叶えるために、「土地探しの4つの極意」をチェックリスト形式でご紹介します。
【極意 1】全体像を把握する「予算と優先順位」の決定
土地は一点物であり、すべての条件を満たす100点満点の物件はなかなか見つかりません。希望の土地が市場に出た際に迅速に判断できるように、事前に「予算」と「条件の優先順位」を明確にしておきましょう。
予算の最適配分
土地探しで最も重要なのは、土地と建物の予算を一体として考えることです。
- 家づくり全体の総額を把握する: 土地の取得費用だけでなく、建物本体価格、別途工事費(地盤改良、外構など)、諸費用(ローン手数料、税金など)総額で予算を設定します。
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「別途費用」を念頭に置く: 建物本体価格の他に、約30%(別途工事費+諸費用)の費用がかかることを想定しておく必要があります。
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予算配分のバランス: 土地購入に多額の予算を割きすぎると、肝心の建物の建築予算が減少し、理想の住まいが実現できなくなる可能性があります。土地と建物の一般的な予算配分は、土地が30〜40%、建物が50〜60%程度が目安です。
譲れない条件(Must/Want)の明確化
- 優先順位の設定: 土地の「大きさ」や「場所(エリア)」など、考慮すべきポイントについて、「絶対に譲れないMust条件」と「あれば嬉しいWant条件」に分け、優先順位をつけておきましょう。
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トレードオフの確認:例えば、土地の広さと立地の利便性はトレードオフの関係になりやすいです。どちらを優先するか事前に話し合っておくと、判断基準が明確になります。
【極意 2】暮らしの質を決める「エリアと周辺環境」の確認
どのエリアに住みたいかは、「どんな暮らしをしたいか」という視点から考えることが重要です。将来のライフスタイルや家族構成の変化(通勤、子どもの進学など)を見据えて、エリアを選択しましょう。
現地確認の徹底
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複数回の訪問: 気になる土地が見つかったら、昼夜、平日、休日すべての時間帯で複数回現地を訪れることが必須です。
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騒音・安全性のチェック: 昼間は気にならなくても、夜間に外灯が少なく防犯面に不安がないか、あるいは救急病院が近く夜間のサイレン音が気にならないか、といった情報だけでは分からない部分を把握しましょう。
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動線チェック: 車で訪れた場合でも、最寄り駅や学校への徒歩ルートを実際に歩いてみることで、踏切の待ち時間や通学路の安全性(公園の雰囲気など)を確認しましょう。
利便性・校区の確認
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生活の利便性:
近隣にスーパー、病院、郵便局などの公共施設が揃っているかを確認します。
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通学先(校区):
その土地がどの学校区に含まれているかは、必ず不動産仲介会社や教育委員会に問い合わせて確認しましょう。
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将来の住環境:
再開発計画など、将来的に街がどのように変わる可能性があるか(商業施設の充実や公園整備など)をチェックし、将来の環境もイメージした上でエリアを選ぶと後悔を避けられます。
【極意 3】設計の自由度を左右する「土地の形状と法規制」の理解
土地にはさまざまな法的な規制があり、これらを理解していないと「土地は買ったけれども希望の家を建てられない」ことになりかねません。また、土地の形状(間口・奥行のバランスなど)は、設計の自由度に直結します。
土地の物理的条件
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土地の形状: 正方形や長方形の整形地は家を建てやすいですが、三角形や旗竿地などの不整形地は価格が安い反面、建築上の制約が多く、希望通りの間取りを実現できないことがあります。
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日当たり/方角: 日当たりは重要ですが、必ずしも南向きでなければならないわけではありません。北向きの土地でも、設計の工夫(建物の配置や形状)次第で日当たりを確保できたり、家のデザインの自由度が高くなったりするメリットもあります。
法的な制約条件
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用途地域: 都市計画法で定められた13の用途地域のうち、購入候補の土地がどこに属するかを確認しましょう。これにより、建てられる建物の種類や規模、周辺にどんな建物が建つかを予測できます。
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建ぺい率・容積率: 敷地面積に対する建築面積(建ぺい率)と延床面積(容積率)の割合です。建てたい家の希望の広さが、これらの制限を超えていないか確認しましょう。
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高さ制限・斜線制限: 建物の高さや形状に制限がないか確認します。
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接道義務: 原則、幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。道路の幅が狭い場合、土地を後退させるセットバックが必要になり、実際に使える土地面積が狭くなる可能性があります。
【極意 4】想定外の追加費用を防ぐ「地盤とインフラ」の調査
一見、立地や価格が良いと思える土地でも、地盤やインフラの状況によっては、後から高額な追加費用が発生し、予算オーバーを招くリスクがあります。
地盤と造成リスク
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地盤の状況: 地盤が弱いと、地盤改良工事が必要となり、想定外の費用がかかります。地盤サポートマップなどで地歴や周囲の状況を確認したり、地盤調査済みの土地を探したりすることも有効です。
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高低差と擁壁(ようへき): 土地に高低差がある場合、造成費用が高額になりがちです。特に古い擁壁がある土地は、現行法を満たすためのやり直しで、さらに高額な費用が発生する可能性があるため、購入前に建築会社に確認してもらいましょう。
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災害リスク: 自治体が提供するハザードマップなどで、浸水や土砂災害のリスクが高いエリアでないかを必ずチェックしましょう。
インフラと境界線の確認
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インフラの整備状況: 希望する土地に水道管や排水管、電気、ガスなどのインフラが整備されているかを確認します。未整備の場合、引き込み工事に高額な費用がかかることがあるため、建築会社に事前に確認することが大切です。
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境界線の明確化: 隣地との境界線を示す境界標があるか確認します。境界が曖昧だと将来的なトラブルに発展する可能性があるため、事前に測量などで明確にしておくと安心です。
土地探しはプロのパートナー選びが成功の鍵
土地探しは、家づくり全体の中でも最も期間が見積もりにくい最難関のステップであり、法律上の規制、地盤の状況、インフラの整備状況など、専門的な検討事項が多岐にわたるため、その良し悪しや予算の適正を一人で判断し、後悔なく進めるのは非常に困難です。
加えて、土地の良し悪しや予算の適正を判断するためには、土地と家をセットで考えることが重要となりますが、もし土地を先に購入してしまうと、建築に回せる予算が削られ、結果として理想の家が建てられないことや、土地の形状や条件に設計が左右され、「土地に合わせた家」を建てることになるリスクがあるのです。
プロのサポートを得ることで、土地と建物のコストバランスを考慮しながら、最適な土地選定が可能となり、結果として予期せぬ費用や制約条件による後悔を回避しやすくなります。
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