土地を購入するためには、単に「住みたい場所・エリアを決める」ことから始まり、「土地の情報を集める」「気に入った物件を現地で確認する」そして「購入する」まで、段階的かつ多角的な検討が必要です。

だからこそ、資料や価格といった情報の一部だけで判断するのはNGとされています。

ここでは、なかなか思いの土地が見つからないケースがある中でも、根気強く探すことでより良いマイホームづくりを叶えるために、土地購入の準備から契約に至るまでの「6つの具体的なフロー」を順序立てて解説します。

【phase1】家づくりの「全体像」を固める（準備期間）

土地探しに効率よく取り組むためには、まず家づくり全体の目標と制約を明確にすることが重要です。まずは「住みたい場所・エリア決め」と「建物を含めた予算決め」からスタートしましょう。

1. STEP1. 住みたい場所（エリア）と条件を決める

   家を建てる場所は、これからの暮らしの質を左右します。

   • どんな暮らしをしたいか: 職場や学校へのアクセス、周辺環境（スーパー、病院など）、将来のライフプラン（家族構成の変化）を考慮して、住みたい場所・エリアを大まかに決定します。
   • 優先順位の明確化: 土地は一点物であり、100点満点の物件はなかなか見つかりません。事前に「絶対に譲れないMust条件」と「あれば嬉しいWant条件」に分け、優先順位をつけておくことで、希望の土地が見つかった際に迅速に判断できます。

2. STEP2. 建物を含めた「総予算」を決める

   土地の価格だけで考えるのではなく、建物本体価格、別途工事費（地盤改良、外構など）、諸費用（税金、ローン手数料など）総額で予算の上限を設定することが不可欠です。

   • 土地の予算配分: 家づくりにおける一般的な予算配分は、土地が30〜40%、建物が50〜60%が目安です。
   • 隠れた費用を想定: 建物本体価格の他に約30%（別途工事費＋諸費用）の費用がかかることを念頭に置きましょう。地盤が弱い土地では地盤改良工事が必要になったり、インフラ（水道管や排水管など）が未整備な場合は高額な引き込み工事費用が発生したりする可能性があるため、注意が必要です。

【phase2】土地の情報を集め、候補を絞り込む

準備が整ったら、本格的に土地の情報を集め、候補となる土地を見つけます。このステップは、「土地の情報を集める」と「気に入った物件を現地で確認する」に対応します。

1. STEP3. 土地の情報を集める

   土地を探す方法は様々ですが、家づくりを依頼するハウスメーカーに相談する方法が最も効率的です。

   • 建築会社に依頼するメリット: 建築会社に土地探しを依頼すると、理想の住宅の条件を考慮した上で土地を探せるため、全体の費用を把握しやすく、予算オーバーを回避しやすくなります。土地の法規制（建ぺい率・容積率など）や地盤状況を考慮し、希望の住宅を建てられないという後悔を回避できます。
   • 情報収集の方法: 不動産ポータルサイトなどインターネットで情報を集める、希望エリアを歩いて探す、不動産会社に依頼するなどがあります。

2. STEP4. 気に入った物件を現地で確認する

   気になる土地が見つかったら、必ず現地に複数回足を運ぶことが非常に大切です。

   • 周辺環境の詳細な把握: 一度の確認で土地を購入すると、実際に住んでから「日当たりが悪い」「騒音が気になる」「風通しがいまいち」といったミスマッチを感じやすいです。
   • 時間帯を変えてチェック: 昼間、夜間、平日、休日すべての時間帯で訪れ、騒音や夜間の防犯面（外灯の有無）、通学路の安全性など、情報だけでは知り得ない実際の様子を確かめましょう。

【phase3】土地と建物の「適合性」を確認し購入する

土地の候補を絞り込んだら、その土地で理想の家が建てられるかを具体的に検討し、購入手続きに進みます。このステップは、「間取りを考えてみる」と「購入する」に対応します。

1. STEP5. 土地に合わせて間取りを考えてみる

   土地の形状（大きさや間口・奥行のバランス）や、法律上の規制（用途地域、建ぺい率、容積率など）は、建てられる建物の種類や広さ、形状に制限を与えます。

   • 土地と設計のバランス: 資料や金額だけで購入を決めてしまうと、土地の制約によって希望の間取りが実現できず、「土地に合わせた家」を建てることになるかもしれません 。
   • プロの意見を聞く: 候補の土地で、希望の広さやデザインの家が建てられるか、建築士や建築会社に相談し、概算の間取り案や設計上の工夫（日当たりの確保、動線計画など）を検討してもらいましょう。

2. STEP6. 買付から契約・購入へ

   土地と建物の適合性に納得できたら、購入手続きに入ります。

   1. 買付証明書の提出：
      売主または仲介業者に買付証明書を提出し、土地購入の意思を示します。
   2. 住宅ローンの仮審査:
      買付証明書の提出後、資金調達が可能であることを証明するために住宅ローンの仮審査に申し込みます。
   3. 売買契約の締結:
      仮審査を通過したら、重要事項説明を受け、土地の売買契約を結びます。この際、手付金の支払いが必要です。
   4. 本審査と購入:
      その後、住宅ローンの本審査を経て、決済・登記手続きを経て購入が完了します。

土地探しの目安期間は、土地の条件を決めるのに1〜3ヶ月、土地を探すのに3〜8ヶ月程度ですが、こだわれば1年以上かかる場合もあります。

時に土地を購入するまでが長期化し、なかなか思い通りの土地が見つからないケースもありますが、根気強く探すことでより良いマイホームづくりができます。

アイワホームではお客様の住みたい場所やご要望をお聞きし、間取りや資金計画をトータルで考慮した土地探しからご提案もできますので、お困りごとがあればお気軽にご相談ください。