リモートワークが普及するなど働き方が多様化し、家に求められる役割も変わってきました。近年、ワークスペースのある家に注目が集まっているのもそんな変化の表れと言えるでしょう。ひとくちにワークスペースといっても、種類、設置場所ともに多様な選択肢があります。家族が働きやすく、暮らしやすい、わが家に最適なワークスペースをつくりましょう。

ワークスペースと書斎の違いとは？

１．個室タイプ

一人で集中できる空間を求める人向き。特に音が気になる場合は、個室にすることで生活音を遮断できます。

２．半個室タイプ

開放感はありながら、適度に集中できる環境を求める人に最適。ロフトを活用したり、リビングに仕切りを設けたり、他の空間とつながりを持たせることが特徴。目線は遮りながらも家族の気配を感じられるのもポイントです。

３．オープンタイプ

通路や階段下、リビングの一角など空きスペースを活用します。家族とつながりながら作業をしたい人に向いています。

求める環境から最善の場所を考える

ワークスペースを設置する場所に制限はありません。家族の生活スタイルや作業内容を基準に最適な場所を見つけましょう。

リビング近くのワークスペース

家族とのコミュニケーションを保ちながら仕事や作業ができます。子どもの学習スペースにも適しています。

キッチン付近のワークスペース

家事と仕事を両立しやすく、家事スペースとしても使えます。お茶を飲みながらひとり時間を楽しむ場所にするのもいいでしょう。

廊下や踊り場のワークスペース

生活スペースからある程度距離を置けるため、集中できる空間がつくれます。通路としてしか使わない廊下や階段の踊り場もワークスペースにすれば空間をより有効に活用できます。

ロフトのワークスペース

ロフトをはじめ、屋根裏や階段下など、天井が低くてコンパクトな空間は、人の行き来が少なく適度なおこもり感があるためワークスペースにぴったり。

寝室のワークスペース

読書や趣味などプライベートな時間をすごす場にしたい人におすすめ。静かな環境をつくりやすく、オンライン会議などを行うにも最適です。

このように、さまざまな間取りがワークスペースとして活用できます。

後悔のないワークスペースづくりを

ワークスペースは、プライベートを大切にしながら家族との時間も大切にできる空間と言えます。しかし、「ダイニングテーブルでも十分作業はできる」、「自宅よりカフェなど外で作業をした方が集中できる」という人にとっては必要性が低いかもしれません。
ワークスペースのメリット・デメリットを理解したうえで、土地や床面積、予算など限られた条件の中でもワークスペースをつくるのか否かを判断しましょう。

＜ワークスペースを設けるメリット＞

• 自宅にいながら仕事に集中できる環境がつくれる
• オンとオフの切り替えができ、育児や介護などとの両立がしやすくなる
• いつもの環境でリラックスして作業ができ、作業効率がアップする
• 作業途中のものをそのままにしておけるため、部屋が散らかりにくい
• 趣味や子どもの勉強スペースなど多目的に使える

＜デメリット＞

• 使い勝手がよくないと使用頻度が下がり、荷物置き場になってしまう
• 個室の場合、引きこもってしまうと家族とのコミュニケーションが減る
• 半個室やオープンタイプの場合、仕事とのメリハリがつけにくい

家族の成長やこれからの生活を考慮しながら、ワークスペースの使い方を具体的にイメージすることがわが家に最適なワークスペースづくりへの近道です。

新築時から検討すれば、より快適な空間に

仕事内容や家族構成、生活スタイルによって、最適なワークスペースの形は変わります。自分と家族が求める使い方から、ぴったりのワークスペースを探しましょう。
ワークスペースを後付けすることも可能ですが、間取りの動線や機能性に支障が出ることも考えられます。その点、建築段階から計画しておけば、生活スタイルに合った配置や空間づくりが可能で、住まいとしての暮らしやすさを妨げることがありません。また、造作家具や収納、コンセント、インターネット環境といった設備も併せて検討することで、より快適なワークスペースを実現できます。
自分や家族が使いやすく集中できる環境、割り当てられるスペース、費用などを総合的に検討して、家族の働きやすさと暮らしやすさをアップするワークスペースをつくりましょう。

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